トラブルシューティング

本項には、一般的な状況におけるトラブルシューティング手順と特定の問題のトラブルシューティング手順が記載されています。

一般的なトラブルシューティング手順

本項では、トラブルシューティングで使用できるコマンドや手順について説明しています。次のような項目があります。

正常に接続されているケーブル
システムの必要条件
ドライバおよびファームウェア
ハードウェア問題の分離
SCSI のコントローラのアップデート情報の再スキャン
エラーのあるディスクの交換
間違った物理ディスクを取り外してしまった場合の回復
Microsoft® Windows® のアップグレード問題の解決

正常に接続されているケーブル

電源コードとアダプタケーブルが正しく接続されていることを確認してください。システムが仮想ディスクまたは非 RAID 物理ディスク(たとえば、システムがハングする場合)で読み取り書き込みの操作ができない場合、エンクロージャまたはバックプレーンにケーブルがしっかり接続されいるかを確認してください。接続がしっかりしているのに問題が解決しない場合はケーブルを交換する必要があるかもしれません。「ハードウェア問題の分離」もご参照ください。

SAS コントローラで、ケーブルの設定が有効になっていることを確認します。『SAS ハードウェアマニュアル』のケーブル設定の有効をご参照ください。ケーブル設定が無効な場合は、警告 2182 または2356を受け取る場合があります。

警告メッセージの詳細については、デルサポートサイト support.dell.com/manuals にある『Dell OpenManage Server Administrator メッセージリファレンスガイド』をご覧ください。

システムの必要条件

システムがすべてのシステムの必要条件を満たしていることを確認してください。特に正しいレベルのファームウェアとドライバがシステムにインストールされていることを確認してください。ドライバとファームウェアの詳細については、「ドライバおよびファームウェア」をご参照ください。

ドライバおよびファームウェア

Storage Management は、サポートされているコントローラのファームウェアおよびドライバでテストされています。コントローラは正しく機能するためには必要な最少バージョンのファームウェアとドライバがインストールされている必要があります。最新バージョンは Dell™ サポート Web サイト(support.dell.com)からダウンロードできます。

メモ:[情報/設定] タブをクリックしてツリー表示のストレージオブジェクトを選択するとインストールされているファームウェアおよびドライバを確認できます。警告ログからは、非対応のファームウェアおよびドライバのバージョンに関連した警告を確認することもできます。

また、最新の Dell PowerEdge™ Server System BIOS を定期的に入手して適用することにより、最新の改良機能の特典を活用することができます。詳細は、Dell PowerEdge システムのマニュアルをご参照ください。

ハードウェア問題の分離

SCSI デバイスに関する「タイムアウト」警告を受けたり、それ以外に システムに接続したデバイスにハードウェアエラーが生じていると考えられる場合は、次の操作を行って問題を確認してください。

ケーブルが正しく接続されているか確認します。
ケーブルが正しく接続されているのに問題が発生する場合は、デバイスケーブルをいったん外してシステムを再起動してください。システムが正常に再起動する場合は、デバイスの 1 つに欠陥がある可能性があります。詳細は、ハードウェアデバイスのマニュアルをご参照ください。

SCSI のコントローラのアップデート情報の再スキャン

SCSI コントローラで、再スキャン コントローラタスクを使用して、コントローラと接続デバイスの情報をアップデートします。コントローラに接続されているデバイス数が多いとこの操作に数分かかることがあります。

再スキャン がディスク情報を正しくアップデートしない場合、システムを再起動しなければならないことがあります。

エラーのあるディスクの交換

次のような状況でエラーディスクを交換する必要があることがあります。

冗長仮想ディスクの一部になっているエラーのあるディスクの交換
冗長仮想ディスクの一部になっているエラーのある物理ディスクの交換
CERC SATA1.5/2s における RAID 1 のエラー物理ドライブの交換

冗長仮想ディスクの一部になっているエラーのあるディスクの交換

エラーディスクが冗長仮想ディスクの一部である場合、ディスクエラーでデータが失われることはありません。しかし追加のディスクエラーでデータが失われることがあるのでエラーディスクは交換することをお勧めします。

冗長仮想ディスクにホットスペアが割り当てられている場合、エラーディスクのデータはホットスペア上に再構成されます。再構成後、これまでホットスペアだったディスクは正常な物理ディスクとして機能し、仮想ディスクはホットスペアがなくなります。この場合、エラーディスクを交換して交換に使ったディスクをホットスペアにする必要があります。

メモ:冗長仮想ディスクにホットスペアが割り当てられていない場合は、SMART アラートを受けた物理ディスクの交換 に説明されている手順に従って故障したディスクを交換します。

ディスクの交換

1 障害のあるディスクを取り外します。
2 新しいディスクを挿入します。新しいディスクが交換したディスクと同じサイズかそれ以上であることを確認します。(一部のコントローラでは、サイズが大きなディスクを挿入すると追加のディスク容量を使用できないことがあります。詳細については、「PERC 3/SC、3/DC、3/QC、4/SC、4/DC、4e/DC、4/Di、4e/Si、4e/Di、CERC ATA100/4ch、PERC 5/E、PERC 5/i、PERC 6/E、および PERC 6/l コントローラの仮想ディスクに関する注意事項」をご参照ください。

仮想ディスクが冗長しているため、再構成が自動的に開始されます。

ホットスペアの割り当て:

ホットスペアが既に仮想ディスクに割り当てられている場合、障害のあるディスクのデータをホットスペアに再構成することができる可能性があります。この場合、新しいホットスペアを割り当てる必要があります。詳細については、「専用ホットスペアの割り当てと割り当て解除」および「グローバルホットスペアの割り当てと割り当て解除」をご参照ください。

冗長仮想ディスクの一部になっているエラーのある物理ディスクの交換

エラー物理ディスクが非冗長仮想ディスク(RAID 0 など)の一部である場合、単一ディスクの障害によって仮想ディスク全体が不具合を起こすことがあります。続行するには前回バックアップ時を確認し、それ以降に新しいデータが仮想ディスクに書き込まれていないかどうか確認する必要があります。

最近バックアップを行ってディスクに新しいデータがない場合、バックアップからデータを復元できます。

メモ:故障したディスクが PERC 3/SC、3/DC、3/QC、4/SC、4/DC、4e/DC、4/Di、または CERC ATA100/4ch コントローラに接続されている場合は、この手順を実行する前に「一部のコントローラにおける物理ディスクオンラインコマンドの使用」に説明されている手順でディスクからデータ回復を試行できます。

次の操作を行ってください。

1 現在、失敗状況にある仮想ディスクを削除します。
2 障害のある物理ディスクを取り外します。
3 新しい物理ディスクを挿入します。
4 新しい仮想ディスクを作成します。
5 バックアップから復元します。

一部のコントローラにおける物理ディスクオンラインコマンドの使用

この機能に対応するコントローラについては、「対応機能」をご参照ください。

適切なバックアップがなく、失敗ディスクが オンライン 物理ディスクタスクをサポートしているコントローラ上の仮想ディスクの一部の場合、失敗ディスクのドロップダウンタスクメニューから オンライン を選択してデータを検索することができます。

オンラインコマンドは、失敗したディスクをオンライン状況へ強制的に戻そうとします。ディスクをオンライン状況に強制できた場合、個別のファイルを回復できることがあります。回復できるデータの量はディスクの損傷の度合いによって異なります。ファイル回復は、限られたディスク部分が損傷を受けた場合のみ回復できます。

この方法を使ってデータを回復できる保証はありません。強制オンラインコマンドで障害のあるディスクは修復されません。新しいデータを仮想ディスクに書き込もうとしないでください。

ディスクから有効なデータを取得したら、「冗長仮想ディスクの一部になっているエラーのあるディスクの交換」または「冗長仮想ディスクの一部になっているエラーのある物理ディスクの交換」で前に説明したように、故障したディスクを交換します。

CERC SATA1.5/2s における RAID 1 のエラー物理ドライブの交換

CERC SATA1.5/2s コントローラで RAID 1 仮想ディスクの一部になっている失敗した物理ディスクを交換する場合には、再構成は自動的に開始されない場合があります。この場合は、次の手順を使って失敗した物理ディスクを交換して、冗長データを再構成します。

1 システムをシャットダウンします。
2 RAID 1 仮想ディスク上の失敗した物理ディスクにある SATA ケーブルを外します。
3 失敗した物理ディスクをフォーマットされた物理ディスクと交換します。物理ディスクをフォーマットするには、コントローラ BIOS のディスクユーティリティを使用します。(物理ディスク全部をフォーマットしないで、ディスクの 1% をフォーマットするだけで十分な場合があります。)
4 システムを再起動します。再起動時に、RAID 1 仮想ディスクには失敗した冗長性状況が表示されます。
5 ツリー表示のコントローラオブジェクトを展開し、物理ディスク オブジェクトを選択します。
6 追加した物理ディスクに 再構成 タスクを実行します。

間違った物理ディスクを取り外してしまった場合の回復

間違って取り外してしまった物理ディスクが冗長仮想ディスクの一部でホットスペアでもある場合、仮想ディスクは速やかに、または書き込み要求があった場合に自動的に再構成されます。再構成が完了すると、データはこれまでホットスペアに割り当てられていたディスクに再構成されるため、仮想ディスクのホットスペアはなくなります。そうなった場合、新しいホットスペアを割り当てる必要があります。

取り外した物理ディスクが冗長仮想ディスクの一部でホットスペアを持たない場合、物理ディスクを交換して再構成を行います。

物理ディスクの再構成とホットスペアの割り当てについての詳細は、次の項目をご参照ください。

RAID コントローラの「ホットスペアについての理解
PERC 3/SC、3/DC、3/QC、4/SC、4/DC、4e/DC、4/Di、CERC ATA100/4ch、PERC 5/E、および PERC 5/i コントローラの「再構成

取り外し予定の物理ディスクの LED を点滅させることによって、間違った物理ディスクの取り外しを防ぐことができます。LED 表示の点滅については、「点滅および点滅解除(物理ディスク)」をご参照ください。

Microsoft® Windows® のアップグレード問題の解決

サーバーの Microsoft Windows オペレーティングシステムをアップグレードすると、アップグレード後に Storage Management が機能しなくなることがあります。インストールプロセスでは、ファイルをインストールして、オペレーティングシステムに固有のレジストリエントリをサーバー上に作成します。このため、オペレーティングシステムを変更すると Storage Management が無効になることがあります。

この問題を回避するには、アップグレードする前に Storage Management をアンインストールする必要があります。Storage Management をアンインストールせずに既にアップグレードを行った場合は、アップグレードの後に Storage Management をアンインストールする必要があります。

Storage Management をアンインストールしてからアップグレードを完了したら、Storage Management インストールメディアを使用して Storage Management を再インストールします。Storage Management は、デルサポートサイト support.dell.com からダウンロードできます。

仮想ディスクのトラブルシューティング

次の項では、仮想ディスクに関するトラブルシューティングの手順を説明しています。

冗長仮想ディスクの一部になっているエラーのあるディスクの交換
CERC SATA1.5/2s における RAID 1 のエラー物理ドライブの交換
再構成が上手くいかない場合
再構成の完了(エラーあり)
仮想ディスクを作成できない
Linux での仮想ディスク注意事項
冗長と非冗長仮想ディスクに同じ物理ディスクを使用することに関連した問題

再構成が上手くいかない場合

再構成は次のような状況では上手くいきません。

仮想ディスクが非冗長である。たとえば RAID 0 仮想ディスクが、RAID 0 でデータの冗長性が提供されていないために再構成できないことがあります。
仮想ディスクに割り当てられているホットスペアがない。仮想ディスクが冗長である限り、次の方法で再構成することができます。
不具合のある物理ディスクを取り出して交換します。新しいディスクで再構成が自動的に開始されます。
ホットスペアを仮想ディスクに割り当ててから再構成を実行します。
小さすぎるホットスペア上で再構成しようとしている。コントローラによってホットスペアに必要なサイズ条件も異なります。サイズディスクの要件の詳細については、「PERC 3/SC、3/DC、3/QC、4/SC、4/DC、4e/DC、4/Di、4e/Si、4e/Di、CERC ATA100/4ch、PERC 5/E、PERC 5/i、PERC 6/E、PERC 6/l、および CERC 6/l コントローラのホットスペアに関する注意事項」および「PERC 3/Si、3/Di、CERC SATA1.5/6ch、S100、S300 コントローラのホットスペアに関する注意事項」をご参照ください。
ホットスペアは仮想ディスクから割り当て解除されている。ホットスペアが複数の仮想ディスクに割り当てられて、別の仮想ディスクの失敗した物理ディスクを再構成するのにすでに使用されている場合には、このようなことが一部のコントローラで発生する可能性があります。この状況の説明については、「PERC 3/Si、3/Di、CERC SATA1.5/6ch、S100、S300 コントローラのホットスペアに関する注意事項」をご参照ください。
SCSI コントローラでは、冗長および非冗長仮想ディスクは物理ディスクの同じセットに在存する。PERC 3/SC、3/DC、3/QC、4/SC、4/DC、4e/DC、4/Di、および CERC ATA100/4ch コントローラでは、冗長および非冗長仮想ディスクの両方で使用される物理ディスクの再構成は実行されません。冗長仮想ディスクを再構成するには、非冗長仮想ディスクを削除する必要があります。このディスクを削除する前に、これをオンラインに戻してエラーがあった物理ディスクからデータの回復を試みることができます。詳細については、「一部のコントローラにおける物理ディスクオンラインコマンドの使用」をご参照ください。
物理ディスクは取り外されていて、システムはまた削除されたディスクへのデータ書き込みを試行していない。この場合、ディスクに書き込み操作が行われるまではシステムでは物理ディスクが取り外されたことを認識しません。物理ディスクが冗長仮想ディスクの一部である場合、書き込み操作を試みるとシステムはディスクを再構成します。この状況は、PERC 3/SC、3/DC、3/QC、4/SC、4/DC、4e/DC、4/Di、および CERC ATA100/4ch コントローラに適用されます。
仮想ディスクに失敗または破損した物理ディスクが含まれている。この状況では、警告2083 が生成されることがあります。警告メッセージの詳細については、デルサポートサイト support.dell.com/manuals にある『Dell OpenManage Server Administrator メッセージリファレンスガイド』をご覧ください。
再構成率設定が低すぎる。再構成率設定が極めて低く、システムは多くの操作を処理中であるため、再構成の完了には通常以上に時間がかかる場合があります。詳細については、「再構成率の設定」をご参照ください。
再構成がキャンセルされた。ユーザーが開始した再構成を、別のユーザーはキャンセルすることができます。

再構成の完了(エラーあり)

本項は、PERC 3/SC、3/DC、3/QC、4/SC、4/DC、4e/DC、4/Di、4e/Si、4e/Di、および CERC ATA100/4ch コントローラに適用されます。

状況によっては、再構成が正常に完了する一方でエラーを報告することがあります。これは冗長(パリティ)情報を含むディスクの一部が破損しているために起こります。再構成ではディスクの正常な部分のデータは復元できますが、破損している部分はできません。

再構成で損傷を受けた部分以外のデータを復元できる場合、正常に完了したことが示されるとともに警告 2163が出されます。

警告メッセージの詳細については、デルサポートサイト support.dell.com/manuals にある『Dell OpenManage Server Administrator メッセージリファレンスガイド』をご覧ください。

再構成では、センスキーエラーが報告されることもあります。この状況では、最大限のデータを復元のために次の処置を実行します。

1 低下した仮想ディスクを全く新しい(未使用の)テープにバックアップします。
- バックアップが正常に完了した場合。バックアップが正常に完了したということは、仮想ディスクのユーザーデータに破損がないということです。この場合は、ステップ 2 に進みます。
- バックアップでエラーが発生した場合。バックアップでエラーが発生した場合は、ユーザーデータが破損しているため仮想ディスクから回復できないということです。この場合の回復処置は、以前に取った仮想ディスクのバックアップから復元するのが唯一の方法です。
2 テープにバックアップした仮想ディクスの「整合性チェック」を実行します。
3 正常な物理ディスクのテープから仮想ディスクを復元します。

仮想ディスクを作成できない

コントローラでサポートされていない RAID 設定を行っている可能性があります。次の項目をご参照ください。

コントローラ上に既に存在する仮想ディスク数は? 各コントローラでは、最大数の仮想ディスクがサポートされています。詳細については、「コントローラに対する仮想ディスクの最大数」をご参照ください。
ディスク上に使用できる適切な領域があるか? 仮想ディスクを作成するために選択した物理ディスクには十分な使用領域がある必要があります。
コントローラは物理ディスクの再構成などのほかのタスクを実行している可能性があり、コントローラが新しい仮想ディスクを作成する前に、それらのタスクを完了する必要があります。

Windows Disk Management で表示されない最小サイズの仮想ディスク

Storage Management で最小許容サイズを使って仮想ディスクを作成する場合、初期化した後でも Windows Disk Management では表示されないことがあります。これは、Windows Disk Management は、仮想ディスクが動的である場合のみ、非常に小さい仮想ディスクを認識可能であるため起こります。一般に Storage Management を使用するときは、大きなサイズの仮想ディスクを作成することを推奨します。

Linux での仮想ディスク注意事項

Linux オペレーティングシステムのバージョンによって、仮想ディスクサイズ 1TB に制限されます。1TB 制限を超える仮想ディスクを作成するとき、以下の動作を生じる場合があります。

仮想ディスクまたは論理ドライブへの I/O エラー
仮想ディスクまたは論理ドライブへのアクセス不可能
仮想ディスクまたは論理ドライブサイズが想定より小さい

1TB 制限を超える仮想ディスクを作成する場合、以下の手順に従ってください。

1 データのバックアップをします。
2 仮想ディスクを削除します。
3 1TB 以下で 1 つ以上の仮想ディスクを作成します。
4 バックアップからのデータの復元をします。

Linux オペレーティングシステムはオペレーティングシステムのバージョン、アップデートまたは実装された変更に関わらず仮想ディスクは 1TB に制限されます。詳細は、See your オペレーティングシステムマニュアルをご参照ください。

冗長と非冗長仮想ディスクに同じ物理ディスクを使用することに関連した問題

仮想ディスクを作成する場合には、冗長と非冗長仮想ディスクに同じ物理ディスクを使用しないでください。すべてのコントローラに対しても使用しないでください。冗長と非冗長仮想ディスクに同じ物理ディスクを使用すると、データ損失などの予期しない動作が発生する可能性があります。

メモ:SAS コントローラは同じ物理ディスクのセット上に、冗長または非冗長仮想ディスクを作成できません。

物理ディスクが冗長と非冗長仮想ディスクで共有される際の PERC 3/Si、3/Di、CERC SATA1.5/6ch、および CERC SATA1.5/2s コントローラの注意事項

本項では、冗長と非冗長仮想ディスクに同じ物理ディスクを使用する場合に、PERC 3/Si、3/Di、CERC SATA1.5/6ch、および CERC SATA1.5/2s コントローラで発生する可能性のある動作を説明します。このタイプの設定では、物理ディスクにエラーが発生したり、物理ディスクを取り外すと次のような動作が生じることがあります。

非冗長仮想ディスクに失敗状況が表示される。

解決策:この動作は仮想ディスクが非冗長であるために発生します。この場合、1 つだけでも物理ディスクにエラーが発生したり、物理ディスクを取り外すと、仮想ディスク全体が失敗してしまい、バックアップを使用しない限りデータ回復が全くできなくなります。

冗長仮想ディスクに低下状況が表示される。

解決策:これも予測された動作です。失敗または取り外したディスクの構成に使用できるホットスペアがある場合には、データを回復できます。

さまざまなディスクにオフライン状況が表示される。オフライン状況は、冗長と非冗長仮想ディスクが使用するすべての物理ディスクに適用できます。

解像度:「コントローラの再スキャン」を実行します。再スキャンを完了したら、オフラインの各物理ディスクを選択し、「無効セグメントの削除」タスクを実行します。最初に無効セグメントを削除してから、物理ディスクをオンラインに戻してください。無効セグメントは共有物理ディスクでエラーが発生したり、ディスクを取り外すと発生します。

メモ:冗長と非冗長仮想ディスクに同じ物理ディスクを使用しないでください。

特定の問題の状況と解決方法

本項では、追加のトラブルシューティング問題について説明します。次の項目があります。

物理ディスクがオフラインかエラー状態が表示される
クラスタ構成で再構成中にディスクがエラーとマークされる
PERC 4/Di コントローラのディスクが取り外し準備が終わった後でオンライン状態に戻らない
置換、センス、またはメディアエラーで不良ブロック警告を受信する
読み書き操作で問題が発生する
冗長チャネルが失敗したときに I/O が停止する
タスクメニューオプションが表示されない
再起動中に「破損ディスクまたはドライブ」メッセージによって自動チェックの実行が提案される
Windows が休止状態になってからエラー状態になり、エラーメッセージが表示される
Storage Management で温度プローブ状態の更新に生じる遅延
Storage Management は再起動後にストレージデバイスの表示を遅らせることがある
リモートシステムにログインできない
リモート Windows Server™ 2003 システムに接続できない
Mozilla ブラウザでの仮想ディスク表示エラーの再設定
物理ディスクがエンクロージャツリーオブジェクトではなくコネクタの下に表示される

物理ディスクがオフラインかエラー状態が表示される

物理ディスクは、破損していたりオフラインになっている場合、削除されたか初期化された仮想ディスクのメンバーであった場合、エラー状態が表示されることがあります。次の操作を行うことでエラー条件を解決することができます。

ユーザーがディスクをオフラインにした場合、オンライン ディスクタスクを実行することでディスクをオンライン状態に戻すことができます。
コントローラを再スキャンします。この操作を行うと、コントローラに接続されているストレージオブジェクトの状態がアップデートされます。仮想ディスクを削除または初期化したことでエラー状態が発生した場合、コントローラを再スキャンするとこの問題は解決されます。
ディスクがコントローラと通信できなくしているケーブル、エンクロージャ、コントローラに問題がないか調べます。問題を見つけて解決した場合、コントローラを再スキャンしてディスクをオンラインまたは準備完了状態に戻す必要があります。ディスクがオンラインまたは準備完了状態に戻らない場合はシステムを再起動します。
ディスクが損傷している場合は交換します。詳細については、「エラーのあるディスクの交換」をご参照ください。

クラスタ構成で再構成中にディスクがエラーとマークされる

クラスタのシステムでエラーディスクを再構成しようとしたところ再構成が失敗した場合、別のシステムが再構成を引き継ぎます。この場合、2 番目の再構成が正常に行われても両方のシステムでディスクの再構成が失敗とマークされていることに気付くかもしれません。この問題を解決するには、再構成が正常に完了した後で両方のシステムで再スキャンを実行します。

PERC 4/Di コントローラのディスクが取り外し準備が終わった後でオンライン状態に戻らない

PERC 4/Di コントローラに接続されている物理ディスクで取り外し準備コマンドを実行すると、再スキャンまたは再起動の後で Storage Management ツリー表示にディスクが表示されません。

この場合、次の操作を行うと Storage Management ツリー表示にディスクが再度表示されます。

1 手動で物理ディスクを取り外し、交換します。
2 コントローラを再スキャンするかシステムを再起動します。

置換、センス、またはメディアエラーで不良ブロック警告を受信する

次の警告またはイベントは、一部の物理ディスクが破損している場合に生成されます。

2146
2147
2148
2149
2150

この破損は、コントローラがディスクのスキャンに必要な操作を実行する場合に検出されます。これらの警告を引き起こす可能性のある操作の例を次に挙げます。

整合性チェック
再構成
仮想ディスクフォーマット
I/O

再構成を行なった結果、または仮想ディスクが低下状況にある間に、警告 2146 ~ 2150 を受信した場合、バックアップを復元する以外には破損ディスクからデータを回復することはできません。再構成以外の状況で警告 2146 ~ 2150 を受信した場合は、データ回復が可能である場合があります。これらの状況のそれぞれについて次に説明します。

再構成中または仮想ディスクが低下中に警告 2146 ~ 2150 を受信した場合

再構成中、または仮想ディスクが低下状況の間に警告 2146 ~ 2150 を受信した場合は、次の操作を行います。

1 破損した物理ディスクを取り替えます。
2 新しい仮想ディスクを作成し、仮想ディスクが完全に再同期化できるようにします。再同期の進行中は、仮想ディスクの状態は 再同期中 となります。
3 データをバックアップから仮想ディスクに復元します。

I/O、整合性チェック、フォーマット、またはその他の操作中に警告 2146 ~ 2150 を受信した場合

再構成以外の操作を実行中に警告 2146 ~ 2150 を受信した場合は、破損ディスクをただちに交換して、データ損失を防ぎます。

次の操作を行ってください。

1 低下した仮想ディスクを新しい(未使用の)テープにバックアップします。
2 破損ディスクを交換します。
3 再構成を行います。

読み書き操作で問題が発生する

システムがハングしたりタイムアウトしたり読み書き操作でその他の問題が起きている場合、コントローラケーブルまたは SCSI デバイスに問題がある可能性があります。詳細については、「正常に接続されているケーブル」および「ハードウェア問題の分離」をご参照ください。

冗長チャネルが失敗したときに I/O が停止する

PERC 3/SC、3/DC、3/QC、4/SC、4/DC、4e/DC、または 4/Di コントローラでチャネルの冗長性を実装している場合、1 つのチャネルの障害が、チャネル冗長設定に含まれるその他のチャネルで停止する入出力の原因となります。この問題の解決方法については、「PERC 3/DC、3/QC、4/DC、4e/DC、4/Di および 4e/Di コントローラにおけるチャネルの冗長性」をご参照ください。

タスクメニューオプションが表示されない

タスクメニューは同じタスクオプションを常に表示するとは限りません。これは、Storage Management がメニュー表示時に、有効なタスクのみを表示するためです。一部のタスクは特定の時期に特定の種類のオブジェクトでのみ有効です。たとえば、整合性チェックタスクは冗長仮想ディスクでのみ実行できます。同様に、ディスクが既にオフラインの場合、オフラインタスクオプションは表示されません。

特定の時期にタスクを実行できない他の理由がある場合があります。たとえば、追加のタスクを実行する前にオブジェクトで既にタスクが実行されていることがあります。

再起動中に「破損ディスクまたはドライブ」メッセージによって自動チェックの実行が提案される

自動チェックを実行します。メッセージについては心配しないでください。自動チェックが完了すると再起動が完了します。システムのサイズによっては、約 10 分ほどかかることがあります。

Windows が休止状態になってからエラー状態になり、エラーメッセージが表示される

Windows の休止機能をアクティブにすると、Storage Management でエラー状態情報とエラーメッセージが表示されます。この問題は、Windows オペレーティングシステムが休止状態から回復したときに自動的に解決されます。

Storage Management で温度プローブ状態の更新に生じる遅延

エンクロージャ温度および温度プローブ状態を表示するために、Storage Management は温度および状態の情報を取得するために、一定の間隔でエンクロージャファームウェアをポーリングします。一部のエンクロージャでは、エンクロージャファームウェアが現在の温度および温度プローブ状態をレポートするまでに多少の遅延が生じます。この遅延によって、Storage Management が正しい温度および温度プローブ状態を表示するまでに 1 ~ 2 分要することがあります。

Storage Management は再起動後にストレージデバイスの表示を遅らせることがある

Storage Management では、再起動後に接続されているすべてのストレージデバイスの検出とインベントリのための時間が必要です。この操作が完了するまで、ストレージコントローラの表示に遅延が生じることがあります。

リモートシステムにログインできない

リモートコンピュータの管理者アカウントに一致するユーザー名とパスワードが入力されなかった場合や、ログイン情報を間違ってタイプすると、アクセスが拒否されることがあります。リモートシステムの電源が入っていなかったり、ネットワークに問題がある場合もあります。

リモート Windows Server™ 2003 システムに接続できない

リモートの Windows Server 2003 システムに接続する場合、管理者特権のあるアカウントを使ってリモートシステムにログインする必要があります。デフォルトでは、Windows Server 2003 は SAM ユーザーアカウントにアクセスする匿名(NULL)接続を許可しません。したがって空白または null パスワードを持つアカウントを使って接続しようとすると、接続が失敗することがあります。

Mozilla ブラウザでの仮想ディスク表示エラーの再設定

Mozilla ブラウザを使用して仮想ディスクを再設定する場合、以下のエラーメッセージが表示されます。

このページは暗号化されていますが、第三者によって読み取れるように入力された情報は、非暗号化されて接続されて送信されます。

ブラウザ設定に変更するとこのこのエラーメッセージを無効にできます。以下の手順でエラーメッセージの無効にします。

1 [編集] を選択してから [設定] を選択します。
2 [プライバシーとセキュリティ] をクリックします。
3 [SSL] をクリックします。
4 [フォームデータを非暗号化ページから非暗号化ページへ送信する] オプションの選択を解除します。

物理ディスクがエンクロージャツリーオブジェクトではなくコネクタの下に表示される

Storage Management は頻繁に物理ディスクの状態をポーリングします。物理ディスクがエンクロージャにある場合、Storage Management は SCSI エンクロージャプロセッサ(SEP)によって報告されたデータを使って、物理ディスクの状態を確認します。SEP が機能していない場合でも、Storage Management は物理ディスクの状態をポーリングできますが、エンクロージャ内にある物理ディスクを識別することはできません。この場合、Storage Management ではツリー表示にあるコネクタオブジェクトの真下に物理ディスクが表示され、エンクロージャオブジェクトの下には表示されません。

Server Administrator サービスを再起動またはシステムを再起動すると、この問題を解決できます。Server Administrator サービスの再起動の詳細については、『Dell OpenManage™ Server Administrator ユーザーズガイド』をご参照ください。