ソリッドステートドライブを使用した CacheCade

CacheCade は、ハードディスクドライブ(HDD)ベースの仮想ディスクのランダム読み取り性能を向上するために使用します。 ソリッドステートドライブ(SSD)は、ソリッドステートメモリを使用して永続的データを保存するデータストレージデバイスです。 SSD は、ストレージデバイスからの I/O 性能(IOPS)および書き込み速度をメガバイト単位で大幅に向上します。 Dell ストレージコントローラにより、SSD を使用して CacheCade を作成できます。 CacheCade を使用することで、ストレージ I/O 操作のパフォーマンスが向上します。 CacheCade を作成するには、Serial Attached SCSI (SAS) または Serial Advanced Technology Attachment (SATA) の SSD のいずれかを使用します。

次の状況下に SSD で CacheCade を作成します。

アプリケーションパフォーマンスの最大化—SSD を使用して CacheCade を作成することで、容量を無駄にすることなく、より高いパフォーマンスを実現できます。
アプリケーションパフォーマンスの最大化およびより高い容量—SSD を使用して CacheCade を作成することで、CacheCade の容量と高性能 SSD のバランスが取れます。
より高い容量—追加 HDD 用の空きスロットがない場合、SSD を使用して CacheCade を作成できます。 これにより、HDD の数を減らし、アプリケーションパフォーマンスを向上できます。

CacheCade 機能には、次の制限があります。

CacheCade の作成には、適切な Dell 識別子を持つ SSD を使用する必要があります。
SSD を使用して CacheCade を作成する場合、SSD のプロパティは維持されます。 後で、SSD を使用して仮想ディスクを作成することも可能です。
CacheCade には、SAS ドライブまたは SATA ドライブのいずれかを含むことができます(両方は不可)。
CacheCade の各 SSD は、同じサイズである必要はありません。 CacheCade のサイズは、次のように自動的に計算されます。
CacheCade サイズ =最も容量が小さい SSD * SSD の数

SSD の未使用部分は無駄になり、追加の CacheCade や SSD ベースの仮想ディスクとして使用することはできません。

CacheCade のキャッシュプールの総サイズは 512 GB です。 512 GB より大きい CacheCade を作成しても、ストレージコントローラは 512 GB のみを使用します。
CacheCade は、1 GB NVRAM とファームウェアバージョン 7.2 以降を搭載した Dell PERC H700 および H800 コントローラでのみサポートされています。
ストレージエンクロージャでは、仮想ディスクと CacheCade を含む論理デバイスの合計数は、64 を超えてはなりません。
メモ: 仮想ディスク用に CacheCade を使用するには、HDD ベースの仮想ディスクの 書き込み および 読み取り ポリシーが ライトバック または ライトバックの強制、読み取りポリシーが 先読み または 適応先読み に設定されている必要があります。

CacheCade の管理

CacheCade の操作を開始する前に、ストレージエンクロージャ内に SSD が存在することを確認してください。 CacheCade を作成、サイズ変更、点滅、または削除するには、CacheCade 画面に移動します。

1
Dell OpenManage Server Administrator ウィンドウで、ストレージ をクリックします。
2
ストレージダッシュボード ストレージコントローラ使用できるタスク に移動し、CacheCade の管理 を選択します。
3
実行 をクリックします。

CacheCade 画面が表示されます。

CacheCade の作成

CacheCade の作成方法:

1
CacheCade 画面で、CacheCade の作成 をクリックします。 CacheCade の作成 画面が表示されます。
2
ご利用のシステムに SAS と SATA SSD の両方が搭載されている場合は、CacheCade グループ セクションで、SATA SSD または SAS SSD を選択します。
3
CacheCade の名前を入力します。 サイズは次のように計算されます。

CacheCade のサイズ = 最も容量が小さい SSD * SSD 数

4
表示される使用可能な空きディスクから、CacheCade に含める SSD を選択します。 選択されたディスクは、選択した物理ディスク セクションに表示されます。
5
完了 をクリックします。
メモ: CacheCade 作成中の物理ディスクの選択手順は、仮想ディスク作成中のディスク選択と同様です。詳細については、仮想ディスク作成の詳細設定ウィザード(手順 2 / 4)を参照してください。

CacheCade のサイズ変更

CacheCade サイズの変更方法:

1
CacheCade 画面で、サイズ変更する CacheCade に移動し、タスク ドロップダウンメニューから サイズ変更 を選択します。

CacheCade のサイズ変更 画面が表示されます。

2
使用できる CacheCade から、必要に応じて CacheCade を追加または削除します。 選択したディスクは、選択した物理ディスク セクションに表示されます。
メモ: CacheCade に含める SSD を選択または選択解除する際は、元の SSD を少なくとも 1 台残す必要があります。
3
完了 をクリックします。

CacheCade の名前変更

1
CacheCade 画面で、名前を変更する CacheCade に移動し、使用できる タスク から 名前の変更 を選択します。
2
名前の変更 画面で、CacheCade の新しい名前を入力し、完了 をクリックします。

CacheCade の点滅および点滅解除

CacheCade 画面で、点滅させる CacheCade に移動し、使用できる タスク から 点滅 を選択します。

CacheCade に含まれる物理ディスクの LED が点灯します。

CacheCade 画面で物理ディスクの点滅を解除するには、点滅解除する CacheCade ディスクに移動し、使用できる タスク から 点滅解除 を選択します。

CacheCade の削除

CacheCade の削除方法:

1
CacheCade 画面で、削除する CacheCade に移動し、使用できる タスク から 削除 を選択します。

次の警告が表示されます。警告! CacheCade のプールサイズが縮小されます。 削除の操作を続行してもよろしいですか?

2
削除 をクリックします。

CacheCade のプロパティ

CacheCade 画面に、各 CacheCade のプロパティの表を表示します。
下記の表には、各プロパティの説明が記載されています。

表 14-1. CacheCade のプロパティ

プロパティ

定義

状態

これらのアイコンはストレージコンポーネントの重大度、または正常性を示します。

正常/OK

警告/非重要

重要/致命的

詳細については、ストレージコンポーネントの重大度 を参照してください。

名前

このプロパティは CacheCade の名前を表示します。 リンクを辿ることで、CacheCade を構成する物理ディスクにアクセスできます。

タスク

このドロップダウンリストは、CacheCade に使用できるタスクを表示します。

サイズ

このプロパティは CacheCade のサイズを表示します。

バスプロトコル

このプロパティは物理ディスクが使用している技術を表示します。 SAS または SATA が表示されます。

ディスクキャッシュポリシー

このプロパティは、CacheCade の一部である物理ディスクのディスクキャッシュポリシーが有効または無効であるかを表示します。

RAID コントローラの読み取り、書き込み、キャッシュ、およびディスクキャッシュポリシー を参照してください。