このモジュールでは、Server Administrator ストレージ管理サービスで参照されるストレージ デバイスに設定可能な読み取り、書き込み、およびキャッシュについてさまざまな種類の定義を行います。
読み取りポリシーは、データを検索する際に、コントローラが論理ドライブの順次セクタを読み取るかどうかを示します。 読み取りポリシーは以下のとおりです。
先読み。 先読みポリシーを使用すると、コントローラはデータを検索する際に論理ドライブの順次セクタを読み込みます。 データが実際に論理ドライブの順次セクタに書き込まれている場合、読み取りポリシーはシステム パフォーマンスを向上します。
先読みなし。 先読みなしポリシーを選択すると、コントローラは先読みポリシーを使用しなくなります。
適応先読み。 適応先読みポリシーを使用すると、最後に行われた 2 つの読み込み要求がディスクの順次セクタをアクセスした場合に限り、コントローラは先読みを開始します。 その後の読み取り要求がディスクセクタをランダムアクセスした場合、コントローラは先読みなしポリシーに戻ります。 読み取り要求がディスクの順次セクタにアクセスするかどうかをコントローラは引き続き監視し、必要に応じて先読みを開始します。
書き込みポリシーは、データがキャッシュに入った直後またはディスクに書き込まれた後に、コントローラが書き込み要求完了シグナルを送信するかどうか指定します。 書き込みポリシーは以下のとおりです。
ライトバック キャッシュ。 ライトバック キャッシュを使用する場合、コントローラはデータ入力がコントローラ キャッシュに入った直後、まだディスクに書き込まれる前に、書き込み要求完了シグナルを送信します。 ライトバック キャッシュでは、後に続く読み込み要求がある場合、ディスクよりもアクセスの速いコントローラキャッシュからデータを取得するため、パフォーマンス向上を図ることができます。 ライトバック キャッシュでは、コントローラが書き込み完了シグナルの送信を終えていたとしても、システムエラーが発生するとデータが実際にはディスクに書き込まれない事態が起こりうるため、データ セキュリティ リスクを伴う可能性があります。 この場合、データ喪失が発生します。 また他のアプリケーションでも、ディスク上のデータが利用可能であると想定した動作をすると、同様の問題が起こります。
ライトスルー キャッシュ。 ライトスルー キャッシュを使用すると、コントローラは、データがディスクに書き込まれた後にのみ、書き込み要求完了シグナルを送信します。 ライトスルー キャッシュでは、システムはデータがディスクに安全に書き込まれた後にのみデータが利用可能であると想定するため、ライトバック キャッシュよりも安全なデータ セキュリティを提供します。
ダイレクト I/O とキャッシュ I/O のキャッシュ ポリシーは特定の論理ドライブの読み込みに適用されます。 これらの設定は先読みポリシーに影響しません。 ダイレクト I/O とキャッシュ I/O のキャッシュポリシーは以下のとおりです。
キャッシュ I/O。 すべての読み取り値がキャッシュ メモリでバッファされるように指定します。
ダイレクト I/O。 読み取り値がキャッシュメモリにバッファされないように指定します。 ダイレクト I/O を使用する場合、読み取り要求の際、データはコントローラ キャッシュとホスト システムに同時に転送されます。 その後の読み取り要求が同一データ ブロックからのデータを必要とする場合は、コントローラ キャッシュから直接に読み取ることができます。 ダイレクト I/O 設定はキャッシュ ポリシー設定を変えることはありません。 ダイレクト I/O はデフォルト設定になっています。